🌈『Stairway to Heaven / Highway to Hell』──ロックが教えてくれた“生きる意味”と“祈り”
🍃今こそ聴きたい理由──音楽と記憶が交差する瞬間
1989年、モスクワで開催された「Moscow Music Peace Festival」。その熱気を封じ込めたコンピレーションアルバム『Stairway to Heaven / Highway to Hell』は、ただのトリビュートではありません。
ドラッグやアルコールに命を奪われたロックレジェンドたちへの鎮魂、そして若者への“生き方”のメッセージが込められた、魂の記録です。
私は1968年生まれ。HR/HMの洗礼を浴びながら育った世代として、このアルバムには特別な思いがあります。あの頃の空気を、今の耳で聴き直すことで、音楽が記憶をつなぐ力を再確認できるのです。
📀アルバム基本情報
項目 | 内容 |
リリース年 | 1989年11月 |
ジャンル | グラムメタル/ヘヴィメタル |
レーベル | Mercury Records |
総再生時間 | 45分52秒 |
収録曲数 | 11曲 |
プロデューサー | Bruce Fairbairn |
エグゼクティブ・プロデューサー | Doc McGhee |
🎼トラックリスト(原曲/演奏者)
No. | 曲名 | 原曲アーティスト | 演奏アーティスト | 時間 |
1 | My Generation | The Who | Gorky Park | 4:46 |
2 | Holidays in the Sun | Sex Pistols | Skid Row | 3:35 |
3 | I Can't Explain | The Who | Scorpions | 3:21 |
4 | Purple Haze | Jimi Hendrix | Ozzy Osbourne | 4:21 |
5 | Teaser | Tommy Bolin | Mötley Crüe | 5:18 |
6 | The Boys Are Back in Town | Thin Lizzy | Bon Jovi | 4:03 |
7 | Move Over | Janis Joplin | Cinderella | 3:24 |
8 | Moby Dick | Led Zeppelin | Drum Madness | 5:54 |
9 | Hound Dog | Big Mama Thornton | Bon Jovi, Cinderella, Klaus Meine | 3:19 |
10 | Long Tall Sally / Blue Suede Shoes | Little Richard / Carl Perkins | Scorpions, Gorky Park | 3:02 |
11 | Rock & Roll | Led Zeppelin | Skid Row, Mötley Crüe, Zakk Wylde, Jason Bonham | 4:49 |
🎧音質・パッケージの魅力
- リマスターではないものの、Bruce Fairbairnのプロデュースによるミックスは、ライブ感とスタジオの緊張感を絶妙に融合。
- ジャケットにはギターを抱えた骸骨が描かれ、亡きロックアイコンたちへの追悼が込められています。
- 日本盤を含む再発盤は、コレクターズアイテムとしても人気が高く、今こそ再評価されるべき一枚です。
🎵楽曲レビュー:心に残る3曲
①「My Generation」/Gorky Park
ロシアのバンドがThe Whoの名曲をカバー。終盤のオペラ風アレンジが斬新で、反抗心と希望が交錯する仕上がり。
冷戦下のモスクワでこの曲が鳴り響いたことに、時代の皮肉と希望を感じずにはいられません。
②「Purple Haze」/Ozzy Osbourne
Jimi Hendrixの幻影をまといながら、Ozzyの狂気と哀愁が交錯する名演。Zakk Wyldeのギターが炸裂し、Geezer Butlerのベースが重厚に支える。
この曲を深夜ラジオで初めて聴いたときの衝撃は、今も胸に残っています。
③「Holidays in the Sun」/Skid Row
Sex Pistolsの反骨精神を、Skid Rowが若々しく再構築。Sebastian Bachのヴォーカルが、怒りと切なさを同時に表現していて、まさに“青春の叫び”です。
🌍文化的・世代的意義──ロックは祈りだった
このアルバムは、ドラッグやアルコールによる犠牲者が多かった80年代ロックシーンの痛みを背景に生まれました。
Bon Scott(AC/DC)とJohn Bonham(Led Zeppelin)──彼らの死が象徴する“天国への階段”と“地獄へのハイウェイ”が、タイトルに込められています。
同世代には懐かしさと共鳴を、若年層には“音楽が社会とどう向き合ってきたか”を伝える橋渡しとなる作品です。
❤️筆者のおすすめ──音楽が記憶をつなぐ力
このアルバムを聴くと、あの頃の空気、仲間との会話、深夜ラジオの音がよみがえります。
音楽は記憶のトリガー──この作品は、そんな力を持った“記憶のアルバム”です。
🧭まとめ
このアルバムを聴いて、あなたは誰を思い出しますか?
ロックが持つ“記憶をつなぐ力”を、ぜひ感じてみてください。
音楽が好きなすべての人へ──。
このレビューが、あなたと素晴らしい作品との出会いの一助となれば幸いです。
アーティストへの敬意と還元の想いを込めて、世代を超えて音楽の魅力を伝える“橋渡し役”として書きました。