基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| リリース日 | 2023年4月19日 |
| ジャンル | J-ROCK |
| レーベル | JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント |
| 収録曲数 | 11曲(CD) |
| 総再生時間 | 約1時間 |
Track listing
| # | 曲名 | 作曲・編曲 |
|---|---|---|
| 1 | Tomorrow Never Dies | tatsuo・浜田麻里 |
| 2 | Escape From Freedom | tatsuo・浜田麻里 |
| 3 | Prism | 原澤秀樹・浜田麻里 |
| 4 | Noblesse Oblige | 岸井将・浜田麻里 |
| 5 | Zero Gravity | 岸井将・浜田麻里 |
| 6 | Dramatica | 原澤秀樹・浜田麻里 |
| 7 | Dancing With Heartache | 中尾昌文・浜田麻里 |
| 8 | The Fall | ISAO・浜田麻里 |
| 9 | River | 中尾昌文・古賀友彌・浜田麻里 |
| 10 | Diagram | 中尾昌文・浜田麻里 |
| 11 | Last Leaf | 浜田麻里・大槻啓之 |
日本メンバー
| 名前 | 担当楽器・役割 |
|---|---|
| 浜田麻里 | ボーカル、プロデュース |
| 高崎晃 | ギター (M-5) |
| 増﨑孝司 | ギター (M-5,9) |
| ISAO | ギター (M-8) |
| BOH | ベース (M-6,8) |
| tatsuo | キーボード (M-1,2) |
| 中尾昌文 | キーボード (M-7,9,10) |
| ISAO | キーボード (M-8) |
| 原澤秀樹 | ドラム (M-3,6) |
| 星野沙織 | バイオリン (M-8) |
海外メンバー
| 名前 | 担当楽器・役割 |
|---|---|
| Chris Broderick | ギター (M-1,2) |
| Michael Romeo | ギター (M-3,4,6) |
| Michael Landau | ギター (M-7,10,11) |
| Phillip Bynoe | ベース (M-1,2,4,5,9) |
| Billy Sheehan | ベース (M-3,4) |
| Leland Sklar | ベース (M-7,10,11) |
| Derek Sherinian | キーボード (M-1,2,8) |
| Michael Romeo | キーボード (M-3,4,6) |
| Jeff Bova | キーボード (M-5,7,10,11) |
| Marco Minnemann | ドラム (M-1,2,4,5,8,9) |
| Gregg Bissonette | ドラム (M-7,10,11) |
| Lily Haydn | バイオリン (M-11) |
浜田麻里『Soar』レビュー|40年の時を超え、今なお飛翔する声
― 圧倒的なボーカルと緻密なメロディが織りなす傑作 ―
1980年代、日本のロックシーンに彗星のごとく登場した浜田麻里。その突き抜けるハイトーン、鋭さを増したハードロックサウンド、そして唯一無二のカリスマ性は、今日に至るまでファンを魅了し続けている。そんな彼女がデビュー40周年の節目に送り出したアルバム『Soar』は、ノスタルジーではなく“進化”を掲げた作品だ。
このアルバムには、ただ懐かしさを楽しむだけではない。むしろ、それ以上に「浜田麻里は今なお進化し続けている」という強いメッセージが込められている。本作は、新たな飛翔=“Soar”をテーマに、リスナーの心を鼓舞し続ける。
重厚さと透明感が共存するサウンドデザイン
アルバムの幕開けを飾る「Tomorrow Never Dies」は、ヘヴィでダイナミックなリフが炸裂するパワフルなオープニングトラック。サブスクでの先行公開時点から期待が高かったこの曲は、まさに浜田麻里の象徴的なスタイルを体現している。
続く「Soar」では、荘厳なイントロから力強いギターへと展開し、彼女のハイトーンボイスが楽曲全体を光のように貫く。シンフォニックな広がりとハードロックの重厚さが見事に融合し、“飛翔”というコンセプトを音で表現しているのが特徴だ。
アルバムは全体を通して緩急に富み、細部にまでこだわったアレンジが光る。特に「Silent Moon」では、ピアノとストリングスの静謐な空間の中に、彼女の繊細かつ強靭な歌声が美しく重なり、聴く者の心に寄り添う。
豪華ギタリスト陣が織りなすドラマティックな旋律
本作には、日本・海外のトップギタリストたちが多数参加している。
「Prism」「Noblesse Oblige」「Dramatica」では、シンフォニック・メタル界の名手マイケル・ロメオがスリリングなギタープレイを披露。彼の技巧派スタイルが浜田麻里のボーカルと絶妙に絡み合い、楽曲のスケール感をさらに広げている。
さらに、「Noblesse Oblige」には、日本のギターレジェンド高崎晃が参加。彼のエモーショナルな泣きのギターソロは楽曲に深い感情を宿らせ、浜田麻里の圧倒的な歌声と相乗効果を生み出している。
また、「Frozen Flame」「Beautiful Chains」では、往年のIbanez+Marshall的なHR/HMの香りを感じさせつつ、現代的なミックスによってより立体的なサウンドへと昇華されている。
歌詞に込められたメッセージ:歳を重ねた今こそ響く言葉
『Return to Myself』が“解放”や“自由”をストレートに叫んだ若き日の歌だとすれば、『Soar』は人生を経たからこそ到達した“決意”と“覚悟”の詩集だ。
たとえば「Beautiful Chains」で描かれる“鎖”は、単なる束縛ではなく、絆と希望の象徴。自由に羽ばたくためには、誰かとのつながりも必要であるという人生の逆説を描き出している。まるで今の私たちに宛てた手紙のような歌詞が響く。
アルバムタイトルに込められた意味
『Soar』というタイトルには、浜田麻里自身の強い意志が込められている。長い活動休止やパンデミックを経て、彼女はこう語る。
「人は歳を重ねても、なお飛べる。今の自分だからこそ見える景色がある」
この言葉通り、彼女は本作の制作に深く関与し、楽曲の構成・歌詞・アレンジすべてにこだわり抜いた。レコーディングは日本とロサンゼルスの二拠点で行われ、熟練のサウンドエンジニア陣との緻密な共同作業によって、音の“空間性”が最大限に引き出されている。
総評
『Soar』は、40年という歳月を経てもなお、浜田麻里が挑戦し続けることの証明だ。青春の記憶に寄り添いながら、今を生きる我々の背中を再び押してくれる。これは単なる回顧ではない。未来へ向けた再起動の一枚なのである。
あの頃、彼女の声に憧れ、勇気をもらったすべての人へ。 今こそ、再びこの音に包まれてほしい。
参考音源
通販
![浜田麻里 | Soar [通常盤] [CD] 浜田麻里 | Soar [通常盤] [CD]](https://m.media-amazon.com/images/I/51iFd+g4+xL._SL500_.jpg)
