【希少盤再評価】ROYAL HUNT『Far Away』──震災と再生、そしてD.C.クーパーの衝撃が刻まれた1995年の記憶
🎸あの日、耳を奪われた旋律は、今も心を揺らす──
1995年、日本が深い悲しみの中にあった頃。デンマークのプログレッシブメタルバンド ROYAL HUNT が突如届けた一枚のミニアルバム。それが『Far Away』です。新ヴォーカリスト D.C.クーパーを迎えた新体制の幕開け。そして、阪神・淡路大震災の被災者へ捧げられた「Far Away」という一曲に込められた祈り。この作品は、音楽が時代と共鳴する力を持つことを教えてくれました。
🎧 基本データ|ROYAL HUNT『Far Away』
| 項目 | 内容 |
| リリース日 | 1995年8月23日 |
| ジャンル | プログレッシブメタル/ハードロック(ネオクラシカル/パワーメタル要素含む) |
| レーベル | RONDEL RECORDS(TEICHIKU RECORDS) |
| 収録曲数 | 全6曲 |
| 総再生時間 | 約32分55秒 |
| 商業的成功 | 日本のロックチャートで首位獲得/約7万枚のセールス |
| 特記事項 | 表題曲「Far Away」は阪神・淡路大震災の被災者へ捧げられた追悼バラード/D.C.クーパー加入後初の作品 |
📀 トラックリスト&楽曲レビュー
| # | 曲名 | 時間 | 種別 | 備考 |
| 1 | Far Away | 4:59 | スタジオ音源 | EP限定/震災追悼バラード/本作のみのオリジナル版 |
| 2 | Double Conversion | 4:18 | スタジオ音源 | 荘厳なインストゥルメンタル/EP限定曲 |
| 3 | Intro ~ Wasted Time (Live) | 6:29 | ライブ音源 | 初来日公演より/D.C.クーパーの圧巻ヴォーカル |
| 4 | Flight (Live) | 4:37 | ライブ音源 | 同上 |
| 5 | Stranded (Live) | 4:55 | ライブ音源 | 同上 |
| 6 | Epilogue (Live) | 7:37 | ライブ音源 | 同上 |
🎵 Far Away|“祈り”が宿るバラード
阪神・淡路大震災の被災者に捧げた一曲。ピアノとストリングスの繊細なアレンジに乗せて、D.C.クーパーが語りかけるように歌い上げるその歌声は、時代を超えて聴き手の心に届く。後年アルバム『Moving Target』でも再録されるが、このEPオリジナル版には研ぎ澄まされた純粋さと“沈黙の共感”が刻まれている。
🎵 Double Conversion|静かな荘厳さと構築美
全編インストゥルメンタルでありながら、ドラマを感じる楽曲。アンドレ・アンダーセンの鍵盤が織り成す世界観は神秘的で、そこに重厚なリズム隊が空気の緊張感を保つ。ROYAL HUNTのクラシカルな側面と“演出力”を知るには欠かせないトラックです。
🎵 Wasted Time(Live)|クーパー加入後の衝撃
イントロから観客の熱気を肌で感じるライブ音源。八度跳びのハイトーンや艶のあるミドルレンジが交錯する歌唱は、“語り手としての表現力”を持つ D.C.クーパーの真骨頂。ただの再演ではなく、作品を再解釈する“ライブ表現”として新たな感動を生み出しています。
🔊 音質・再発希望|“今だから聴きたい”価値ある1枚
オリジナル盤にしか存在しない「Far Away」「Double Conversion」、そして熱気溢れるライブ音源の数々。本作が公式にリマスターされるとすれば、未公開映像やフォトブックを含む豪華仕様でリリースされるべきだと、多くのHR/HMファンは願っているでしょう。
アナログテープ由来の音質改善、そして新たな感情を呼び起こす再評価──それがこのEPの未来の姿かもしれません。
🗺️ 時代的背景|震災と音楽の役割
1995年、阪神・淡路大震災という未曽有の災害と向き合った日本。その直後に届けられた「Far Away」は、単なる応援歌ではなく、“静かな祈り”として心に届いたのです。アンドレ・アンダーセンが正面から悲劇を受け止め、その音楽で共感を形にしてくれたことは、当時を知る世代にとって忘れがたい記憶となっています。
また、D.C.クーパーの加入は、HR/HMシーンの空気さえ一変させた象徴的事件。彼のパフォーマンスは、音楽が持つ“表現力”を根本から引き上げるものでした。
🧠 筆者の思い|“あの夜”が胸に刻んだ衝撃
1995年1月の来日公演。「Wasted Time」の八度跳びハイトーン──あの瞬間、空気が震え、誰もが「これは本物だ」と感じました。D.C.クーパーの歌声は、ただのメタルではない、“演劇的メタル”の誕生でした。
私にとって『Far Away』は、「震災と音楽」「希望と再生」が交差する特別な作品です。今聴いても、あの夜の感動は変わりません。
📝 まとめ
ROYAL HUNT『Far Away』は、音楽が記憶と感情をつなぐ“タイムカプセル”です。もしまだこの作品に触れたことがないなら、ぜひ一度耳を傾けてください。

