🎸David Lee Roth『A Little Ain’t Enough』──“もう少しだけ”じゃ足りない、あの頃の熱と今の響き
🍃あの頃の空気、今だからこそ感じる共鳴
1991年の冬、街にはまだバブルの余韻が漂っていた。
僕は23歳。CDショップの棚に並んだこのアルバムを手に取った瞬間、ジャケットの赤と黒が胸に焼きついた。David Lee Rothの3rdソロ『A Little Ain’t Enough』──それは、時代の狭間で放たれた“最後のロックスター”の叫びだった。
今、あの頃の熱をもう一度感じたくて。
そして、若い世代にもこの作品の魅力を伝えたくて。
そんな思いで、この記事を書いています。
📀アルバム基本情報
| 項目 | 内容 |
| リリース日 | 1991年1月15日 |
| ジャンル | ハードロック / グラムメタル |
| レーベル | Warner Bros. Records |
| 総再生時間 | 約53分 |
| 収録曲数 | 12曲 |
| プロデューサー | Bob Rock |
🎶トラックリスト
| No. | 曲名 | 時間 |
| 1 | A Lil’ Ain’t Enough | 4:42 |
| 2 | Shoot It | 4:13 |
| 3 | Lady Luck | 4:40 |
| 4 | Hammerhead Shark | 3:34 |
| 5 | Tell the Truth | 5:18 |
| 6 | Baby’s on Fire | 3:22 |
| 7 | 40 Below | 4:54 |
| 8 | Sensible Shoes | 5:09 |
| 9 | Last Call | 3:22 |
| 10 | The Dogtown Shuffle | 4:58 |
| 11 | It’s Showtime! | 3:46 |
| 12 | Drop in the Bucket | 5:05 |
🎧おすすめ楽曲レビュー(3曲)
①「Tell the Truth」──ブルースの深みとロスの“本音”
この曲は、David Lee Rothが持つ“語り部”としての魅力が際立つ一曲。
ブルージーなギターに乗せて、彼はまるで夜のバーで語るように歌う。
「Tell the Truth」というタイトルに込められた、虚飾を脱ぎ捨てた本音──それが、今聴くと胸に響く。
“I’ve been living in a lie / Now I’m telling the truth”
そんな歌詞が、歳を重ねた今だからこそ沁みる。
②「Sensible Shoes」──R&Bの香りと大人の余裕
この曲は、アルバムの中でも異色の存在。
R&Bのリズムに乗せて、ロスが“分別ある靴”を履く男の哀愁を歌う。
ハーモニカの音色と、土臭いボーカルが絶妙に絡み合い、都会の夜を思わせる。
若い頃は気づかなかった“大人のロック”の味わいが、ここにはある。
③「Drop in the Bucket」──Jason Beckerの魂が宿るラストトラック
この曲は、ギタリストJason Beckerの“最後の叫び”とも言える。
ALSの診断を受けながらも、彼はこの曲に全てを注ぎ込んだ。
ギターが泣いている──そう感じるほど、感情がこもっている。
僕はこの曲を聴くたびに、音楽の力と人間の尊厳を思い出す。
それは、ただのロックではない。魂の記録だ。
🕰文化的・世代的な意義──“時代の終わり”と“今だからこそ”の聴きどころ
1991年、グランジが台頭し、LAメタルが“時代遅れ”とされ始めた頃。
そんな中で『A Little Ain’t Enough』は、David Lee Rothが“最後のロックスター”として放った渾身の一撃だった。
同世代には、あの頃の熱狂と哀愁が蘇る。
若年層には、Jason BeckerのギターとBob Rockのプロダクションが新鮮に響くだろう。
✍️筆者の視点──“Enough”だったのか、足りなかったのか
僕はこの時代にリアルタイムでHR/HMを浴びて育った。
『A Little Ain’t Enough』は、そんな僕にとって“Enough”だったのか──今でも答えは出ない。
でも、確かなのは、あの頃の熱が今も心に残っているということ。
🧭まとめと次の導線──あなたにとって“Enough”とは?
『A Little Ain’t Enough』は、時代に翻弄された名盤であり、今こそ聴くべき作品。
あなたにとって、“Enough”とは何だろう?
音楽が好きなすべての人へ──。
このレビューが、あなたと素晴らしい作品との出会いの一助となれば幸いです。
アーティストへの敬意と還元の想いを込めて、世代を超えて音楽の魅力を伝える“橋渡し役”として書きました。

