🌙HAREM SCAREM『Voice of Reason』──静かに語りかけてくる“理由ある声”を、今こそ聴いてみませんか?
はじめに──この作品に、もう一度耳を傾けたくなる理由
1995年。グランジやオルタナティブ・ロックが主流となり、HR/HMは変化の時代を迎えていました。そんな中、HAREM SCAREMが届けてくれた『Voice of Reason』は、メロディックHRの枠を超えた、静かで深い“語りかけ”のようなアルバムでした。
当時、私は20代後半。HR/HM黄金期をリアルタイムで浴びて育った世代として、この作品の“変化”に戸惑いながらも、どこか惹かれていたのを覚えています。今あらためて聴くと、あの頃の迷いや希望が、音の中にそっと息づいているように感じるのです。
📀アルバム基本情報
| 項目 | 内容 |
| リリース日 | 1995年 |
| ジャンル | ハードロック / メロディックロック / オルタナティブHR |
| レーベル | WEA Japan(国内盤) |
| 収録曲数 | 11曲 |
| 総再生時間 | 約52分 |
| メンバー | Harry Hess(Vo/Gt)、Pete Lesperance(Gt)、Mike Gionet(Ba)、Darren Smith(Dr) |
| 追加ミュージシャン | なし(セルフプロデュース) |
| 商業的成績 | カナダ国内で一定の評価を得るも、前作ほどのヒットには至らず |
🎶トラックリスト
| No. | 曲名 |
| 1 | Voice of Reason |
| 2 | Blue |
| 3 | Warming a Frozen Rose |
| 4 | Let It Go |
| 5 | And That's All |
| 6 | Breathing Sand |
| 7 | Candle |
| 8 | The Paint Thins |
| 9 | I'll Be Brief |
| 10 | Untouched |
| 11 | Necessary Evil |
🎧心に残る3曲──静かに響く“声”たち
①「Warming a Frozen Rose」──凍てついた感情に、そっと灯るぬくもり
この曲は、冷え切った心にそっと寄り添うような一曲。タイトルの“Frozen Rose”は、失われた愛や過去の痛みの象徴のようでありながら、“Warming”という言葉が希望を感じさせます。
Harry Hessのヴォーカルは、感情の奥底に触れるように繊細で、Pete Lesperanceのギターがその感情を優しく包み込む。聴くたびに、過去の記憶が静かに溶けていくような感覚に包まれます。
②「Voice of Reason」──アルバムの核となる“理性の声”
アルバムの冒頭を飾るこの曲は、まさに作品全体のテーマを象徴する存在。重厚なギターリフと内省的な歌詞が、心の中の葛藤を音にしたようです。
「理性の声」とは、自分自身の本音に耳を傾けること。人生の岐路に立ったとき、ふと聴きたくなるような、そんな“声”がここにはあります。
③「Candle」──夜更けに灯る、記憶のあかり
静かで優しいこの曲は、アルバムの中でも特に内省的な一曲。アコースティックなアレンジが、まるで夜の静けさの中で灯るキャンドルのように、心を照らしてくれます。
歌詞に込められた“灯り”は、過去の記憶や失われたものへの祈りのよう。ひとりで聴く夜に、そっと寄り添ってくれる──そんな優しさを持った楽曲です。
📦音質・パッケージの魅力──再発盤で蘇る“声”
再発盤ではリマスター処理が施され、音の輪郭がより鮮明に。特にヴォーカルとギターのバランスが絶妙で、空間の広がりを感じられる仕上がりです。
ジャケットはモノトーン調で、作品の内省的な世界観を象徴。ブックレットには歌詞とメンバーのコメントが収録され、ファンにはたまらない仕様です。
## 🕰文化的・世代的な意義──“変化”の時代に生まれた、静かな挑戦
90年代半ば、HR/HMはグランジやオルタナの影響を受けて変容期にありました。そんな中で『Voice of Reason』は、メロディックHRの枠を超え、アーティストとしての“声”を模索する挑戦作だったのです。
同世代には「わかるよ、この迷いと葛藤」と響き、若年層には「こんなHR/HMもあったのか」と新鮮に映るはず。今だからこそ、この作品の“理由ある声”に耳を傾けてほしい。
📝まとめ──あなたにとっての“Voice of Reason”は?
『Voice of Reason』は、HAREM SCAREMの中でも異色の存在。でも、だからこそ今聴く価値がある。あなたにとっての“理性の声”は、どの曲ですか?
音楽が好きなすべての人へ──。
このレビューが、あなたと素晴らしい作品との出会いの一助となれば幸いです。
アーティストへの敬意と還元の想いを込めて、世代を超えて音楽の魅力を伝える“橋渡し役”として書きました。

