🌵BON JOVI『Dry County』──“乾いた郡”に宿る魂の叫びと再発盤の魅力
🎶 日本盤マキシシングル『Dry County』収録曲一覧
| # | 曲名 | 備考 |
| 1 | Dry County (Edit) | 約6分半に編集されたショートバージョン |
| 2 | Stranger In This Town | Richie Samboraのソロ曲(ライブ音源) |
| 3 | Blood Money | Jon Bon Joviのソロ曲(ライブ音源) |
| 4 | Dry County | フル尺ライブバージョン(約9分半) |
| 5 | It's Only Rock 'N' Roll | THE ROLLING STONESのカバー(ライブ) |
| 6 | Waltzing Matilda | Tom Waitsのカバー、Tico Torresがボーカル担当 |
※ライブ音源は1993年12月20日、ニュージャージー州レッドバンクのCount Basie Theaterで収録されたものです
🎧 楽曲レビュー:心に残る3曲を深掘り
① Dry County(Live Version)
9分半に及ぶBON JOVI屈指の叙情大作。ライブでは、Jonの語りから始まり、観客との一体感が高まる中でRichieのギターソロが炸裂。
この曲は、夢を追って“乾いた郡”に来た男の絶望と希望を描いた物語。
「もし君がオレのバイクの後ろに乗ってくれるなら。連れて行くよ。Dry Countyってとこへ」──JonのMCが胸に刺さる
ライブならではの熱量と、ギターの泣きが心を揺さぶります。まさに“魂のロードムービー”。
② Stranger In This Town(Live)
Richie Samboraのソロアルバムからの一曲。彼自身がボーカルを務め、ブルージーで内省的な世界観が広がります。
クラプトンの影響を感じさせるギターと、繊細な歌声が印象的。
「孤独な街で、誰もが誰かを探している」──そんな空気感が漂う一曲
BON JOVIとは一味違う、リッチーの“個”が際立つ名演です。
③ Waltzing Matilda(Live)
驚きの一曲。なんとドラマーのTico Torresがボーカルを担当!
Tom Waitsのカバーで、ダミ声の渋さが際立ち、まるでバーの片隅で語りかけるような雰囲気。
「この一曲のためにCDを買っても損はない」──ファンの間でも評価が高い隠れた名演
BON JOVIの多様性と遊び心が感じられる、味わい深いトラックです。
✍️筆者の視点
このEPは、BON JOVIが“バンドの危機”を乗り越えた時期の記録でもあります。
Dry Countyのライブは、まさにその再生の象徴。
私はこの時代にリアルタイムでHR/HMを浴びて育ちました。だからこそ、この曲の“乾き”と“希望”が、今も心に響きます。

