80’s METALの日々

音楽は自由、メタルは情熱!

花冷え。/ 来世は偉人!──衝動が記憶を呼び覚ます回顧レビュー

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花冷え。の『来世は偉人!』は、
80年代HR/HMを聴き込んできた耳にとって、
既存の地図の外側にふっと灯った“異端の光”のような作品でした。
それは軸でも基準でもなく、
こちらの想像を軽々と飛び越えていく、どこか無邪気な自由さをまとっている。

最初に聴いたとき、私は思わず小さく笑ってしまいました。
「BABYMETAL × キバオブアキバ名義で感じていたあの感覚を、
ここまで自然にバンドサウンドへ落とし込み、
しかもグロウルまで違和感なく織り込んでくるのか。
……本当に面白いものを作るな。」
そんな驚きと愉しさが、胸の奥で静かに弾けたのです。

80年代のメタルをリアルタイムで浴びてきた身として、
花冷え。の音には“懐かしさ”というより、
あの時代の衝動を別の文法で更新してみせたような、
奇妙な既視感と新鮮さの同居
を感じます。
メタルコアの硬質さ、J-POPの旋律、原宿カルチャーの色彩──
それらが混ざり合うことで生まれる“整わなさ”が、
むしろ今の時代にはとても正直に響いてくる。

デジタルが音楽を均質化し、
“聴きやすさ”が最優先される世界の中で、
彼女たちはあえて混沌と過剰さ、そして遊び心を抱えたまま突き進む。
その奥には、
自分の機嫌を自分で取りながら、歪んだ日常をなんとか笑って生き抜こうとする、
とても人間らしい「生存」の気配
が確かに息づいている。

本稿では、
80年代HR/HMを通過してきた一聴き手としての視点から、
『来世は偉人!』の音像、歌詞、文化的背景、
そして“2020年代にこの音が鳴る意味”を静かに辿っていきます。
あの頃の記憶と、今の現実が交差する地点で、
この一枚がどんな風景を描き出しているのか──
その輪郭を、そっと言葉にしてみます。


花冷え。来世は偉人! ジャケット画像

この一枚が、記憶の扉を開ける鍵になるかもしれません。
※画像クリックで商品ページへ移動します

▶ この音に触れる


作品データと基本情報

『来世は偉人!』というタイトルには、
どこか肩の力を抜いたユーモアと、
それでも前へ進もうとする小さな意志が滲んでいます。
まずは、この作品がどんな“枠組み”の中で生まれたのか、
静かにその輪郭を確かめておきたいと思います。

項目 内容 補足
作品タイトル 『来世は偉人!』 花冷え。らしい軽やかな挑発
アーティスト名 花冷え。 原宿発・世界へ跳ぶ異端バンド
リリース日 2023年7月26日 コロナ禍以降の揺らぎが残る時期
ジャンル 原宿コア(HR/HM) 80年代HR/HMの耳でも再解釈できる“混種”
レーベル Sony Music Labels メジャー初作品という節目
収録曲数 10曲 80年代的“短距離走の美学”を思わせる構成
総再生時間 約33分 余計な脂を削ぎ落としたスピード感
録音背景 海外ツアー中のホテル等を含む 現代的で、少し無茶な制作環境
プロデュース 花冷え。+エンジニア陣 世界基準の音像を支える布陣

この“基本情報”だけでも、
花冷え。というバンドが 勢いだけで突き進んだのではなく、
混沌の中で必死に形を掴み取っていった
ことが静かに伝わってきます。


作品概要──『来世は偉人!』が放つ核心

『来世は偉人!』を聴いてまず感じたのは、
花冷え。が“世界へ踏み出す瞬間”の空気を、そのまま閉じ込めたような生々しさでした。
大きな物語を語ろうとしているというより、
「今の自分たちの速度と温度のまま、どこまで行けるのか」
そんな素朴な問いが、音の奥に静かに息づいているように思えたのです。

インディーズ時代の「お先に失礼します。」がSNSで広がり、
吉祥寺のライブハウスから海外フェスへ──。
その急激な変化の中で作られた本作には、
焦りや昂揚、戸惑い、そして少しの遊び心が、
どれも隠されずに刻まれているように感じました。

80年代HR/HMを聴き込んできた耳で受け取ると、
このアルバムは“正統”というより、むしろ“突然変異”に近い存在です。
あの時代にも、既存の文法を壊しながら新しい景色を切り開いていくバンドがいましたが、
花冷え。の音には、その“異端の初期衝動”に似たものが確かに漂っています。

初めて聴いたとき、
私は80年代の“あの匂い”──
音が未来へ向かって無邪気に開いていく瞬間の匂いを思い出しました。
それは懐古ではなく、
「こういう形で衝動は受け継がれていくのか」という、
静かな驚きに近い感覚でした。

花冷え。は、整った物語を提示しようとはしていません。
ただ、今の自分たちのまま音を放ち、
その音がどこまで届くのかを確かめようとしている。
私には、この“むき出しの跳躍”こそが、
『来世は偉人!』の核心のように思えるのです。


音像・演奏──時代を超えて揺らぐサウンドの深み

『来世は偉人!』の音に触れていると、
80年代HR/HMを聴き込んできた耳として、
どこか懐かしい質感と、まったく新しい混沌が同時に押し寄せてくる瞬間があります。
それは“再現”ではなく、
衝動だけが時代を越えて受け継がれているような感覚に近い。

ここでは、私自身の耳にどう響いたのかを、静かに辿ってみたいと思います。


● ギター

鋭く刻むリフの中に、J-POP的な明るい旋律がふっと顔を出す。
この“硬さ”と“軽さ”の同居は、
80年代の“歌うギター”の精神を、
2020年代の速度で書き換えたように感じられます。
懐かしさではなく、
「こういう形で継承されるのか」という小さな驚きがある。


● リフの特徴

メタルコア特有の低く重い刻みの上に、
原宿カルチャーのカラフルな感性が乗ってくる。
私には、この奇妙な混ざり方がとても印象的でした。
整ってはいないけれど、
混沌そのものを肯定しているようなリフ
80年代の“過剰さ”を、別の文法で再解釈したようにも聴こえます。


● ヴォーカル

ユキナのグロウルは、
80年代メタルが抱えていた“怒り”とは少し違う質感を持っています。
もっと個人的で、もっと切実で、
「自分を保つための声」という印象に近い。
そこにマツリのクリーンが重なると、
上機嫌でいなければ壊れてしまう現代の脆さが、
ふっと浮かび上がってくるように感じました。


● リズム隊

新ドラマー・チカの加入は、
このアルバムの推進力を決定づけているように思います。
タイトで迷いのないビートは、
80年代の“疾走感”を思い出させる瞬間がある。
ただし、それは懐古ではなく、
「今の時代に必要な速度」として鳴っている。


● プロダクション

音圧は完全に世界基準で、
空気感はデジタルの透明さを持っている。
それでも、演奏の奥には
アナログの衝動がそのまま残っているように聴こえました。
整えすぎない、少し荒削りな部分が、
むしろこの作品の魅力になっている気がします。


✍️歌詞テーマ──情緒と物語が描く世界観

花冷え。の歌詞に触れていると、
80年代HR/HMが抱えていた“社会への反抗”とは、
少し違う温度を感じます。
もっと日常的で、もっと個人的で、
そしてどこか切実な響きがある──
私にはそんなふうに聴こえました。

彼女たちが描くのは、
大きな敵や巨大な権力ではなく、
もっと身近な、
「今日をどうやって生き抜くか」という現代的なテーマです。

  • 会社員文化の息苦しさ
  • SNSに漂う定型句の虚しさ
  • 自分の機嫌を自分で取らなければならない日常
  • 逃げ場のない現実
  • それでも笑って前に進もうとする小さな意志

こうしたモチーフが、
過剰な爆音の中にそっと忍ばせるように置かれている。
そのバランスが、私はとても花冷え。らしいと感じました。

象徴的なのは「お先に失礼します。」です。
この曲は、社会の圧力を真正面から殴り返すのではなく、
コミカルな破壊衝動へと変換してしまうところに独自性があります。
80年代のメタルが“怒り”を武器にしていたとすれば、
花冷え。は“ユーモア”で世界を切り裂く。
その軽やかさが、むしろ現代の切実さを際立たせているように思えました。

歌詞の世界は決して重くはないのに、
どこか胸の奥に残る。
それは、彼女たちが“戦うための言葉”ではなく、
“生き延びるための言葉”を選んでいるからかもしれません。


文化背景・時代性──1980年代の風と初期衝動

80年代、MTVが世界の空気を変えました。
映像と音がひとつになり、
メタルは“聴くもの”から“見せるもの”へと姿を変えていった。
私はその変化をリアルタイムで浴びながら、
音楽が時代とともに形を変えていく瞬間を何度も目撃してきました。

そして2020年代、
SNSが同じように世界の聴き方を変えていきました。
音楽は“発信されるもの”から、
“拡散されるもの”へと移り変わった
その速度は、80年代の比ではありません。

花冷え。の音に触れていると、
私はこの二つの時代の“風”が、
奇妙に重なり合って吹いてくるような感覚を覚えます。

MTV世代が持っていた、
「新しい表現を見つけた瞬間の高揚」。
SNS世代が持っている、
「一瞬で世界へ届いてしまう速度」。
その両方が、このバンドの音の奥で静かに共存しているように思えるのです。

80年代の私が感じた“初期衝動”──
あの、胸の奥がざわつくような感覚が、
2023年の東京から再び届くとは、正直思っていませんでした。
それは懐古ではなく、
「衝動は形を変えても、時代を越えて生き続けるのだ」
という、少し不思議な確信に近いものです。

花冷え。は、
80年代の再現をしようとしているわけではありません。
ただ、彼女たちの音の中に、
あの時代の“無邪気な跳躍”の気配がふっと混ざり込んでいる。
私には、そんなふうに聴こえました。


再評価のポイント──2026年に聴く意味

『来世は偉人!』を2026年の耳で聴き返してみると、
リリース当時とはまた違う表情が浮かび上がってきます。
作品そのものが変わったわけではなく、
むしろこちら側の“聴き方”が静かに変化したのだと思います。

私には、次のような点が特に印象的でした。


● シンセの“キラキラ感”が、80年代ポップ・メタルの再解釈に聴こえてくる

当初は原宿的な装飾として受け取っていたシンセの煌めきが、
2026年の今聴くと、
80年代ポップ・メタルが持っていた軽やかな遊び心
現代的な文法で翻訳したもののように感じられます。
懐古ではなく、あくまで“再解釈”としての輝き。


● ジャケットの色彩が、原宿カルチャーと80sグラムの交差点に見えてくる

派手でポップな色使いは、
原宿のストリート感と、
80年代グラムメタルの華美さが
ふっと重なる瞬間があります。
2026年の視点で眺めると、
その“混ざり方”がむしろ自然に思えてくる。


● 世界基準の音質は、リマスター盤のような鮮明さ

初めて聴いたときは“現代的な音圧”として受け取っていたものが、
今ではまるで
80年代の名盤が最新技術でリマスターされたときの鮮明さ
に近い感覚を呼び起こします。
古い衝動と新しい技術が、奇妙に共存している。


● コレクター視点では、初回盤の価値が静かに上がりつつある

これはあくまで私の感覚ですが、
花冷え。が国際的に評価されるほど、
このメジャー1作目の“物語性”が強まっていく気がします。
2026年の今、初回盤はすでに
“バンドの跳躍点を象徴する記録”としての価値を帯び始めているように思えます。


2026年に聴くと、
『来世は偉人!』は単なるデビュー作ではなく、
“2020年代という時代の証言”としての重みを帯びてきます。
混沌、速度、ユーモア、そして生存。
そのすべてが、この時代を生きた人間の記録として
静かに響いてくるのです。


全曲解説──『来世は偉人!』を彩る魂のトラックリスト

1. Blast Off

── 宇宙へ向けて扉が開く瞬間の昂揚

短い導入曲ですが、私はここに“挨拶”よりも
「考える前に飛ぶしかない瞬間」
の衝動を感じました。
地上=日常、宇宙=未知。
その境界をためらいなく越えていく。
説明も余韻もない、ただの“発射”。
今の時代らしい無鉄砲さが、静かに胸に残ります。


2. 超次元ギャラクシー

── 疾走の中に漂う無重力の孤独

暴力的な速さなのに、どこか“軽い”。
それは爽快というより、
足場のないまま走らされている感覚に近いと思いました。
宇宙という広大なテーマを掲げながら、
実は「どこにも属せない自分」の孤独が滲んでいるように聴こえる。
マツリのギターが、真空を切り裂く光のように響きます。


3. NEET GAME

── 社会の外側で続く、終わらないゲーム

タイトルの時点で、すでに現代的な痛みがある曲。
私はここに、
「レールから外れた後の時間を、どう笑いに変えるか」
というテーマを感じました。
ゲームという比喩の裏で、
“何者にもなれない自分”と向き合う視線がちらりと覗く。
軽さの中に、静かな諦念とユーモアが同居しています。


4. 今年こそギャル~初夏ver.~

── 眩しさの裏に潜む焦燥

明るくてポップで、初夏の光のような曲。
でも“今年こそ”という言葉には、
「去年はなれなかった自分」
への小さな悔しさが滲んでいるように聴こえます。
ギャルという“最強の鎧”をまとおうとする必死さが、
軽快なビートの裏で静かに震えている。


5. Tales of Villain

── 悪役の仮面をかぶることで守られる心

“悪役でいい”という姿勢は、
諦めではなく、むしろ自衛の選択に感じられました。
期待される前に、期待を外しておく。
そのほうが傷つかない。
重いリフは、そのまま心の防御壁のように響きます。
80年代の“アンチヒーロー美学”を、
現代の心の防御として再解釈したような曲。


6. Warning!!

── 速度と混沌が交差する危険信号

展開がめまぐるしく、情報量も多い。
私はこの曲に、
「もう余裕がない」
という精神のレッドゾーンを見ました。
警告灯のように鳴り続けるリフと、
止まれないビート。
混沌に追い立てられている感覚が、そのまま音になっている。


7. 我は宇宙最強のインベーダーちゃんである

── 遊び心と攻撃性の奇妙な同居

タイトルはキュートなのに、演奏は鋭く攻撃的。
私はここに、
「奪わなければ奪われる」
という競争社会の感覚が、
ポップにパロディ化されているように感じました。
可愛さと暴力性、その矛盾こそが花冷え。の核に近い。


8. TOUSOU

── 逃げることでしか生きられない時代の疾走

この曲は、アルバムの精神的な中心に思えます。
80年代なら“逃げる”は否定されたかもしれない。
でも今は違う。
逃走=生存戦略として肯定されている。
背後から迫る何かから、とにかく距離を取るための速度。
その必死さが、痛いほど伝わってきます。


9. お先に失礼します。

── コミカルな破壊衝動が日常を突き破る

花冷え。を世界へ押し出した象徴曲。
会社員文化やSNSの定型句を、
デスボイスとテンポチェンジで笑い飛ばしてしまう。
ただ、その笑いの裏には
「このままでは壊れてしまう」
という本気の逃走衝動が見え隠れしているように感じました。


10. Today's Good Day & So Epic

── “今日を生き抜いた”という静かな勝利

派手さはないけれど、とても大事な一曲。
ここで初めて、
「今日を無事に終えられたこと」
そのものが祝福される。
明日への大きな希望ではなく、
小さな安堵と、ささやかな勝利。
アルバム全体のバランスをそっと支えている曲だと思いました。


❤️ここが熱い!筆者が推す“本作の刺さるポイント”

このアルバムの中で、私が特に胸を掴まれたのは
「お先に失礼します。」と「TOUSOU」の二曲でした。

どちらも、音の勢いだけで聴けば“楽しい”“激しい”で終わってしまうかもしれない。
けれど、80年代HR/HMを通過してきた耳で聴くと、
その奥にある“切実さ”がどうしても無視できないのです。

「お先に失礼します。」は、
社会の圧力をコミカルに爆破してしまう軽やかさがある一方で、
その笑いの裏に
「このままでは壊れてしまう」
という本気の逃走衝動が確かに潜んでいるように聴こえました。

そして「TOUSOU」。
80年代のメタルは“立ち向かうこと”を美徳としていたけれど、
2026年の今、花冷え。は
逃げることを、生き延びるための選択として肯定している。
その価値観の転換が、とても現代的で、どこか痛々しくも美しい。

この二曲を聴いていると、
80年代、レコード店で新譜を手に取ったときの
「この音はどこへ連れていってくれるのだろう」
という胸のざわめきを、ふいに思い出しました。
花冷え。の音にも、あの頃の“未知へ向かう衝動”が確かに息づいている。

若い読者には、
ぜひ音の勢いだけで判断せず、
その奥にある“生き延びようとする気配”に耳を澄ませてほしいと思います。

そして──
あなたの推し曲も、ぜひ教えてほしい。
どの曲が、どんな風にあなたの心に触れたのか。
その声を聞けることが、レビューを書く私にとって何よりの喜びです。


Legacy & Afterlife──作品が歩んだ“その後の物語”

『来世は偉人!』は、
リリースから時間を重ねるごとに、
その輪郭を静かに変えてきたように思います。

発売当初は、
「SNS発のバイラルバンドのメジャー進出」
という文脈で語られることが多かった。
私自身も、最初はその“勢い”に目を奪われていました。

けれど2026年の今、
このアルバムを聴き返してみると、
当時とはまったく違う響き方をしてくる。

海外フェスでの成功、
国際的なファンベースの拡大、
新体制の安定──。
そうした出来事を経て、
この作品はいつの間にか
“始まりの記録”
としての意味を帯び始めたように感じます。

SNSの速度に押し流されるように生まれた一枚ではなく、
むしろ
2020年代という“優しくない時代”を生き抜くための証言
として、静かに再評価されつつある。

私自身にとっても、
かつては“勢いの象徴”だったこのアルバムが、
今ではどこか
“静かな祈り”のように響くようになりました。

爆音の奥にある、
「今日をどう生き延びるか」という小さな願い。
それが、時間を経るほどに鮮明になっていく。

音楽が持つ“時間の魔法”を、
改めて思い知らされる一枚です。


🌍 For International Readers

English Summary

Re:BORN Superstar by Hanabie. is an album that reveals more of its inner truth the longer one sits with it. Heard through the dual lens of someone who lived through the 1980s metal boom and someone navigating the emotional landscape of the 2020s, the record emerges not simply as a viral success story, but as a quiet document of survival.

Across its ten tracks, Hanabie. blend metalcore aggression, Harajuku pop color, and a distinctly modern sense of emotional fragility. Songs like “O-Saki ni Shitsurei Shimasu.” and “TOUSOU” form the emotional core of the album: beneath their playful chaos lies a sincere desire to escape pressures that feel impossible to withstand. Rather than the heroic defiance that defined much of 80s metal, Hanabie. frame escape as a legitimate form of endurance—an idea that feels uniquely honest in the 2020s.

The band’s chemistry is central to the album’s impact. Yukina’s vocals shift between humor and desperation; Matsuri’s guitar lines carry both melody and violence; Hettsu’s bass grounds the chaos; and Chika’s drumming provides the propulsion that keeps everything from collapsing. Together, they create a sound that is loud, colorful, and strangely tender.

With the band’s rapid international rise and growing global fanbase, Re:BORN Superstar has begun to take on new meaning. What once felt like a burst of youthful energy now resonates as a small, persistent prayer—an attempt to stay afloat in a world that rarely slows down.

For listeners old and new, the album offers both exhilaration and solace, inviting each person to find their own reflection within its noise.


関連レビューと次のリスニングへの誘い

『来世は偉人!』を聴き終えたあと、
私はふと、これまで書いてきたレビューのいくつかを思い出しました。
花冷え。を扱うのは今回が初めてですが、
その音の奥にある“切実さ”や“跳躍の衝動”は、
過去に触れてきた作品たちともどこか響き合っているように感じます。

ここでは、
本作と地続きの感覚を持つ3つのレビューを、
次のリスニングへの小さな手がかりとして置いておきます。


● BABYMETAL『METAL GALAXY / METAL RESISTANCE』レビュー

https://garaosyou.hatenablog.com/entry/hr-hm/review/album/babymetal-metal-forth

BABYMETALが切り開いた“ジャンルの外側へ跳ぶ感覚”は、
花冷え。の原宿コアにも静かに受け継がれているように思います。
異端であることを恐れず、
むしろ武器にしてしまう姿勢。
その系譜を辿ると、本作の輪郭がより鮮明になる。


● Nemophila『GOZO』EPレビュー

https://garaosyou.hatenablog.com/entry/hr-hm/ep-review/nemophila-gozo

Nemophilaの“陽性の爆発力”と“日常の痛み”の同居は、
花冷え。の歌詞世界とどこか通じるものがあります。
強さと脆さが同じ温度で並ぶ音。
そのバランス感覚を知っていると、
『来世は偉人!』の“生存の気配”がより深く響いてくる。


● Asterism『KICK DOWN THE WALL』レビュー

https://garaosyou.hatenablog.com/entry/hr-hm/album-review/latest/asterism-kick-down-the-wall

Asterismの“壁を破壊するような演奏の純度”は、
花冷え。のギター/リズム隊の衝動と美しく対照を成しています。
技術と衝動のせめぎ合い。
その緊張感を知っていると、
花冷え。の“整わなさの美学”がより立体的に見えてくる。


花冷え。は今回が初めてのレビューでしたが、
こうして振り返ると、
あなたがこれまで書いてきたレビューの“地層”の上に
自然と立ち上がってきた作品なのだと感じます。

そして──
また次回、80’sメタルと共に語り合いましょう。
あの時代の風は、今も静かに吹き続けている。


Personnel(参加ミュージシャン)──4人の“呼吸”が形づくるアルバムの輪郭

『来世は偉人!』というアルバムの輪郭は、
最終的にはこの4人の“呼吸”によって形づくられているように思います。
技術や役割以上に、
それぞれの“温度”が音の奥で確かに息づいている。


- Vo:ユキナ

切実さとユーモアを同じ声帯で扱える稀有な存在。
彼女のグロウルは怒りではなく、
「自分を保つための声」として響く。


- Gt:マツリ

歌うような旋律と、鋭利な刻みの両立。
80年代HR/HMの“歌心”を、
2020年代の速度で再解釈しているように聴こえる。


- Ba:ヘッツ(Hettsu)

混沌の中で音を“落としすぎない”絶妙な重心。
花冷え。のカラフルな世界観を、
下から静かに支える存在。


- Dr:チカ

新体制の推進力そのもの。
タイトで迷いのないビートは、
アルバム全体の“逃走”と“跳躍”を後押ししている。


4人の音が重なるとき、
そこには“勢い”だけでは説明できない、
生き延びようとする気配が確かに宿っているように感じます。


❤️ 最後に

この記事全体を通して、
私は “80年代を生きた耳”“2020年代を生きる心” の両方で
『来世は偉人!』を見つめてきました。

80年代、私はレコード店で新譜を手に取るたび、
“この音はどこへ連れていってくれるのか”と胸を躍らせていた。
その感覚が、2026年の今になって、
花冷え。の音によってそっと呼び起こされるとは思っていませんでした。

爆音の奥にあるのは、
勢いでも、奇抜さでもなく、
「今日をどう生き延びるか」という小さな祈りのようなもの。
それが、時間を重ねるほどに静かに響いてくる。

もし読者のあなたが、
このアルバムの中に自分の記憶や感情をそっと重ね、
次の一枚へと歩き出すきっかけになってくれたなら、
それ以上の喜びはありません。

音楽は、時代を越えて、
私たちの心のどこかに小さな灯りを残していく。
『来世は偉人!』もまた、
そんな灯りのひとつになる作品だと、私は思っています。


作品を聴く


※動画は花冷え。公式YouTubeチャンネルより引用

映像とはまた違う“音の表情”を感じてみるのも素敵です。

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記事情報

  • タイトル:花冷え。『来世は偉人!』── 80年代の衝動と2020年代の生存が交差するアルバムレビュー
  • 公開日:2026/02/11 07:00
  • 著者:我楽(音楽レビューブログ運営)
  • ブログ名:80’s METALの日々
  • カテゴリ:アルバムレビュー
  • ジャンル:HR/HM
  • アーティスト:花冷え。
  • リリース日:2023年7月26日(日本)
  • レーベル:Sony Music Labels
  • 演奏メンバー:ユキナ(Vo)、マツリ(Gt)、ヘッツ(Ba)、チカ(Dr)
  • 収録曲:Blast Off / 超次元ギャラクシー / NEET GAME / 今年こそギャル〜初夏ver.〜 / Tales of Villain / Warning!! / 我は宇宙最強のインベーダーちゃんである / TOUSOU / お先に失礼します。/ Today’s Good Day & So Epic
  • テーマ:80年代HR/HMの衝動と2020年代の“生存”が交差する地点を探るレビュー
  • 評価(★):4.8 / 5.0