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NEMOPHILA / 五臓 -GOZO- ── 衝動が記憶を揺さぶる最新レビュー

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NEMOPHILA の『五臓 -GOZO-』は、2020年代のHR/HMを語るうえで、
静かに、しかし確かな熱を宿して脈打つ“現在進行形の生命体”のような作品です。

派手な話題性よりも、4人の内側から滲み出る衝動と誠実さが前に出てくる──
そんなEPだからこそ、今あらためて耳を澄ませたくなるのかもしれません。

この作品に触れた瞬間、ふと80年代の記憶がよみがえりました。
レコード店の片隅で、まだ知らない音楽との出会いを待っていたあの頃。
ジャケットを手に取っただけで胸が温かくなる、あの小さな高揚。
針を落とす前から、すでに音が鳴り始めているように感じられた期待感。
『五臓 -GOZO-』には、そんな“音楽と出会う喜び”が静かに息づいているように思えたのです。

もちろん、彼女たちの音は80年代の焼き直しではありません。
むしろその逆で、デジタル時代の整いすぎた音の中で、あえて“生身の衝動”を取り戻そうとする姿勢が、
かつてHR/HMが持っていた初期衝動とどこかで呼応している──
そんな風に感じられました。

この記事では、
- 音像の変化
- 歌詞に宿る内省
- 4人体制・完全セルフプロデュースという転換点
- 2026年という時代性
- そして80年代HR/HMの文脈から見た“再評価の価値”

これらを、読者のあなたと一緒にそっと紐解いていきたいと思います。
夕暮れの空にゆっくりと浮かぶ雲のように、どこか懐かしく、どこか新しい。
そんな余韻を残すレビューになれば嬉しいです。


NEMOPHILA/五臓 -GOZO-ジャケット画像

この一枚が、記憶の扉を開ける鍵になるかもしれません。
※画像クリックで商品ページへ移動します

▶ この音に触れる

▼ SETLIST(目次)


作品データと基本情報

作品の輪郭をそっと確かめるように、まずは基本情報から触れていきます。
数字や仕様の並びにも、NEMOPHILAがこのEPに込めた“意志の密度”が静かに滲んでいるように感じられます。

項目 内容
作品タイトル 『五臓 -GOZO-』
アーティスト名 NEMOPHILA
リリース日 2026年1月21日(水)
ジャンル HR/HM(ラウドロック/ニューメタル/オルタナティブ要素)
レーベル SPACE SHOWER MUSIC
形態 通常盤CD(DDCZ-2327)/初回限定盤CD&Blu-ray(DDCZ-9082)
価格 通常盤:2,200円(税込)/初回限定盤:6,050円(税込)
収録曲数 全5曲(通常盤・初回盤共通)
総再生時間 EP仕様(約20分前後を想定)
録音場所 非公開(セルフプロデュースのため複数拠点の可能性)
プロデューサー NEMOPHILA(完全セルフプロデュース)
アートワーク kokubozu

CD収録曲(通常盤・初回限定盤共通)

  1. 開花宣言
  2. VS EGO:
  3. Oblivious
  4. namas
  5. PUMP IT UP!

短い尺の中に、4人の“今”がぎゅっと凝縮されたラインナップです。
EPという形態だからこそ、迷いのない選曲が光ります。


Blu-ray収録内容(初回限定盤のみ)

NEMOPHILA初の主催イベント
「地平天成獄音道中 -地獄フェス-」
2025/9/21[神奈川]川崎CLUB CITTA’公演より、ライブ映像10曲を収録。

  1. OSKR
  2. RISE
  3. DISSENSION
  4. ERROR DETECTION
  5. Hammer Down
  6. ZEN
  7. 開花宣言
  8. BRAINWASH
  9. 鬼灯
  10. OIRAN

EP本編とはまた違う、ライブでの“剥き出しのNEMOPHILA”を感じられる内容です。


作品概要──『五臓 -GOZO-』が放つ核心

『五臓 -GOZO-』は、NEMOPHILAにとって単なるEPではありません。
SAKI脱退後の4人体制(第2期)で初めての完全セルフプロデュース作品として生まれたこの一枚には、
“外部の色をいっさい混ぜない”という静かな決意が、深く息づいています。

80年代HR/HMをリアルタイムで聴いてきた身として、
この“自分たちの音を自分たちで決める”という姿勢には、
あの時代のバンドたちが大切にしていた DIY精神 がふっと重なって見える瞬間がありました。
派手さよりも、誠実さ。
技巧よりも、意志。
そんな価値観が、作品の奥に確かに流れているのです。

初めて『五臓 -GOZO-』を聴いたとき、
音の密度よりも“意思の密度”が先に胸へ届いてきました。
整いすぎた音よりも、少し荒削りでも“本当に鳴らしたい音”のほうが心を動かす──
そんな80年代の感覚を、思いがけず思い出させてくれる作品でもあります。

このEPは、
「何を鳴らせるか」ではなく「何を鳴らしたいか」
その一点に向かって研ぎ澄まされた、NEMOPHILAの“生存の記録”です。
4人が自分たちの内側にある五臓六腑をそのまま音に変えたような、
そんな“生きた作品”として、静かに、しかし確かな熱を放っています。


音像・演奏──時代を超えて輝くサウンドの深み

『五臓 -GOZO-』の音像には、これまでのNEMOPHILAとは少し違う空気が流れています。
外へ向かって突き刺すような攻撃性よりも、
自分たちの内側へ静かに潜っていくエネルギーが、そっと息づいている。
その変化が、作品全体に独特の深みを与えています。


🎸 ギター

葉月のギターは、80年代の“歌うようなリード”とはまた別の魅力を持っています。
グランジのざらついた質感と、
ニューメタルの低く沈み込む重心が同居していて、
そのうえで、フレーズの端々には
“メロディを大切にする日本のHR/HM”の血がしっかり流れている。

派手に主張するのではなく、
曲の呼吸に寄り添いながら、必要なところでそっと光る──
そんな控えめな美しさが印象的です。


🎤 ボーカル

mayuの声は、このEPでさらに表情を増しました。
- 静かに語りかけるようなクリーン
- 心の奥をえぐるようなスクリーム

この二面性は、80年代の“声で物語る”ヴォーカリストたちを思い出させます。
ただし、彼女の声は過去の模倣ではなく、
2020年代を生きる人間の痛みや迷いと真正面から向き合う声です。
そのリアルさが、曲の感情をより深くしているように感じます。


🥁 リズム隊

ハラグチサンとむらたたむのリズム隊は、
“ライブで鳴らせる音”を最優先にしたタイトなグルーヴを刻みます。
デジタル編集で整えすぎるのではなく、
人間の手足で刻むリズムの揺らぎや呼吸をそのまま残している。

その生々しさが、EP全体に“体温”を与えているように思えます。
ライブハウスの空気をそのまま閉じ込めたような、
そんな手触りがとても心地よいです。


歌詞テーマ──内側へ潜る物語

本作の歌詞は、外へ向けた怒りではなく、
自分自身との対話が中心にある。

  • 自我との衝突
  • 迷い
  • 痛み
  • それでも前へ進む意志

80年代のHR/HMが“社会や世界”と戦っていたとすれば、
2026年のNEMOPHILAは“自分の内側”と戦っている。
その違いが、時代の変化を静かに物語っている。

そしてその内省は、
“強さ”を誇示するためではなく、
弱さや揺らぎを抱えたまま生きる2020年代のリアルを映し出している。
だからこそ、言葉の一つひとつが静かに沁みてくるのだと思う。


文化背景・時代性──2020年代の風と初期衝動

2020年代の音楽は、SNSやストリーミングの波に包まれ、
“整いすぎた情報”の中で鳴らされることが当たり前になりました。
音の粒も、映像の色も、すべてが均一で、触れた瞬間に輪郭が溶けてしまいそうな──
そんな儚さを感じることさえあります。

その中で、NEMOPHILAが選んだのは 生音の復権 でした。
削りすぎず、飾りすぎず、
人間の手で鳴らす音の温度をそのまま残すという選択。
それは、今の時代だからこそ逆に新しく響くものです。

思い返せば、80年代のHR/HMもまた、
- MTVの衝撃
- バブル景気の熱気
- 世界的メタルブームの高揚

といった“時代の風”と共に育っていきました。
音楽が社会の空気と呼応しながら、
ひとつの文化として形を成していった時代です。

NEMOPHILAの『五臓 -GOZO-』が鳴らす“生きた音”は、
そんな80年代の初期衝動とは違う形で、
デジタル時代の飽和の中に風穴を開けるような存在意義を持っています。

整いすぎた世界の中で、
あえて“揺らぎ”や“呼吸”を残すこと。
その選択が、今の時代においてどれほど貴重で、
どれほど勇気のいることなのか──
このEPを聴くと、静かに伝わってくるのです。


作品の核に触れる──完全セルフプロデュースがもたらした純度

『五臓 -GOZO-』を語るうえで避けて通れないのが、
完全セルフプロデュースという選択です。
外部のプロデューサーやライターを迎えず、
4人だけで音のすべてを決めていく──
その静かな覚悟が、このEPの芯を形づくっています。

外部の色が混ざらないからこそ、
音には“4人の呼吸”がそのまま残っています。

  • 外部の手が入らないからこそ生まれる純度
  • 4人の意思が100%反映された音像
  • kokubozuによるアートワークが象徴する“内側の世界”
  • EPという短尺だからこそ削ぎ落とされた“核”の部分

こうした要素が重なり合い、
作品全体に“生きた音楽”としての温度を与えています。

2026年の今、
整いすぎた音があふれる時代において、
このEPが放つ“生命体としての音”はとても貴重です。
音楽がまだ、
人の手で、心で、五臓六腑で鳴らされている──
そんな当たり前のことを、そっと思い出させてくれる一枚だと思います。


全曲解説──『五臓 -GOZO-』を彩る魂のトラックリスト

EPを通して聴いていると、一曲ごとに違う温度があって、
その移り変わりがまるで心の奥をゆっくりと照らしていくように感じられました。
ここでは、私が聴きながら抱いた印象を、そっと共有してみたいと思います。


1. 開花宣言 — 第2期の幕開けを告げる、まっすぐな衝動

この曲を最初に聴いたとき、
「4人でまた歩き出すんだ」という静かな決意が、音の隙間からふっと立ち上るように感じました。
高速ラウドの勢いはあるのに、どこか優しさのようなものも漂っていて、
“幕開け”という言葉が自然と浮かんできました。
第2期NEMOPHILAの“最初の一歩”として、とても誠実な始まり方だと思います。


2. VS EGO — 自己との対峙が生む、張りつめた美しさ

この曲は、EPの中でも特に胸に残りました。
外へ向けた怒りではなく、自分自身と向き合う緊張感が音の奥に潜んでいるようで、
聴くたびに心のどこかが少しざわつくんです。
mayuの声が、叫びというより“祈り”のように響く瞬間があって、
そこにこの曲の核心があるように私は感じました。
張りつめた空気の中に、かすかな希望が灯るような一曲です。


3. Oblivious — グランジの影が落とす、静かな陰影

この曲は、夕暮れの空がゆっくりと色を変えていくような、
そんな静かな陰影を感じさせてくれました。
ざらついたギターの質感と、どこか憂いを帯びたメロディが重なり、
“内省”という言葉だけでは足りない複雑な感情が滲んでいるように思います。
EPの中盤に置かれていることで、作品全体に深い呼吸が生まれ、
静かに沈み込んでいくような余韻を残してくれます。


4. namas — 生々しさがそのまま響く、素手の感情

この曲は、タイトルの通り“生”に近い温度を感じました。
飾り気のないアンサンブルが、むしろ4人の呼吸をそのまま伝えてくるようで、
言葉よりも先に音が感情を運んでくる、そんな不思議な手触りがあります。
低域のうねりが身体の奥に直接触れてくるような、
“肉体的なグルーヴ”が印象的な一曲です。


5. PUMP IT UP! — 肉体が先に動く、純粋なライブアンセム

この曲を聴くと、どうしても体が先に反応してしまいます。
ライブハウスの床が震えるような、あの感覚がすぐそこにあるようで、
“考えるより先に動いてしまう音楽”ってこういうことなんだな、と改めて感じました。
むらたたむ発案の“地獄のゆるふわ”という言葉がぴったりくる、
明るさと激しさが同居したライブアンセムです。
EPの締めくくりとして、とても気持ちの良い余韻を残してくれます。


ここが熱い!筆者が推す“本作の刺さるポイント”

『五臓 -GOZO-』を聴いていると、
ふと80年代のレコード店で感じた“あの瞬間”がよみがえりました。
まだ何も知らないのに、
ジャケットを手に取っただけで胸の奥がざわつくような、
「これは何かが起きるかもしれない」と思わせる、あの小さな予感です。

このEPにも、どこかその匂いがあるように私は感じました。

  • 技術よりも“意思”が前に出てくる音
  • 整えすぎない、生々しいアンサンブル
  • 内側から静かに湧き上がる衝動
  • 4人の結束が生む、独特の密度

こうした要素が重なり合って、
作品全体に“生きた音楽”としての温度が宿っているように思えます。

若い読者の方には、
“音楽がまだ人間の体温を持っていた時代”の匂いを、
このEPから少しでも感じ取ってもらえたら嬉しいです。
それは決して懐古ではなく、
今の時代にこそ必要な“音の手触り”だと私は思っています。

あなたの推し曲も、もしよければ教えてください。
同じ作品を聴いて、どんな景色が見えたのか──
そんな話を共有できたら、とても素敵だと思います。


関連レビューと次のリスニングへの誘い

NEMOPHILAの世界をもう少し歩いてみたい方へ、
そして“今のHR/HM”を感じたい方へ向けて、
そっと手を伸ばせる作品をいくつか置いておきます。


NEMOPHILAの歩みを辿るなら

4人体制へ至るまでの変化を感じられる2作。
『五臓 -GOZO-』を聴いたあとに振り返ると、
また違った景色が見えてくるように思います。


今のHR/HMを感じる3枚

どれも、NEMOPHILAの“現在地”と響き合う部分があるように感じます。
2026年という時代の中で、HR/HMがどんな呼吸をしているのか──
その輪郭をそっと照らしてくれる作品たちです。


Personnel

『五臓 -GOZO-』という小さな生命体を形づくったのは、この4人です。
名前を並べるだけでも、どこか作品の温度が伝わってくるように感じます。

  • Vo:mayu
  • Gt:葉月
  • Ba:ハラグチサン
  • Dr:むらたたむ

4人それぞれの個性が、EPの中で静かに、そして確かに息づいています。


『五臓 -GOZO-』を聴き終えたあとに残る、あの静かな熱のようなものが、
あなたの日々のどこかでそっと灯り続けますように。
また一緒に、HR/HMの物語をゆっくり辿っていきましょう。


🎬 YouTubeで視聴

レビューを読んだあとに、実際の音を確かめてみると作品の輪郭がより鮮明になります。


※動画は「NEMOPHILA」公式YouTubeプレイリストより引用

映像とはまた違う“音の表情”を感じてみるのも素敵です。

🎧 Spotifyで試聴

公式より引用(Spotify)

さらに深く楽しむために

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記事情報

  • タイトル:NEMOPHILA / 五臓 -GOZO- ── 衝動が記憶を揺さぶる最新レビュー
  • 公開日:2026年1月21日 19:00
  • 著者:我楽(音楽レビューブログ運営)
  • ブログ名:80’s METALの日々
  • カテゴリ:EPレビュー
  • ジャンル:HR/HM(ラウドロック/ニューメタル/オルタナティブ)
  • アーティスト:NEMOPHILA
  • リリース日:2026年1月21日
  • レーベル:SPACE SHOWER MUSIC
  • 演奏メンバー:mayu(Vo)/葉月(Gt)/ハラグチサン(Ba)/むらたたむ(Dr)
  • 収録曲:開花宣言/VS EGO:/Oblivious/namas/PUMP IT UP!
  • テーマ:4人体制による完全セルフプロデュースが生む“内側の衝動”と“生音の核心”を辿るレビュー
  • 著者スタンス:アーティストへの敬意と作品への還元を願い、音楽の魅力を世代やメディアを超えて伝える“橋渡し役”として執筆。
  • 評価(★):4.8 / 5.0