- 大人になった耳でふたたび出会う、メロディの深み
- アルバム『X』が描く世界観:AOR的洗練と包容力
- 心に残るバラードたち:『X』の静かな名曲群
- 年月を経た“耳”にやさしく響くもの
- 心に残る、日常のBGMとしての魅力
- 基本情報 / Basic Information
- トラックリスト / Track Listing
- 参加メンバー / Personnel
- 参考音源
- 通販
大人になった耳でふたたび出会う、メロディの深み
〜 DEF LEPPARD『X』レビュー:進化するバンドが語りかけるもの 〜
時代とともに歩むDEF LEPPARD、その”X”の意義
2002年、DEF LEPPARDが放った8枚目のスタジオアルバム『X(テン)』は、彼らの音楽史の中でも際立って“異質”な存在です。かつてハードロック/ヘヴィ・メタルで青春を駆け抜けたファンにとっては、拍子抜けするほどソフトに聴こえるかもしれません。しかしその裏側には、キャリアを重ねたバンドだからこそ辿り着けた「洗練と内面性」が宿っていました。
初めてこのアルバムを耳にした時、冒頭の「Now」で驚くほどのインパクトはないかもしれません。でも聴き進めるうちに、胸に沁みるようなメロディと、どこか日常に寄り添うような温もりが立ち上ってくるのです。
アルバム『X』が描く世界観:AOR的洗練と包容力
メロディが主役:ギラつきより“味わい”を選んだサウンド
『X』は、かつてのようなギターリフで圧倒するHR/HM作品ではありません。むしろ、AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)に近いアプローチで、タイトなリズムと重厚なコーラス、巧みに配置されたストリングスとキーボードが、成熟したサウンドを描き出します。
「Four Letter Word」など、骨太なロックナンバーもありますが、アルバム全体を支配するのはあくまで“メロディの豊かさ”。これは、かつて激しいロックに熱狂したリスナーたちが年齢を重ねた今だからこそ、沁みる質感ではないでしょうか。
心に残るバラードたち:『X』の静かな名曲群
DEF LEPPARDのバラードには、メロディと感情が優しく絡む名曲が多くありますが、『X』ではその魅力が一層引き立っています。
「Long Long Way to Go」
壮大でありながら決して誇張せず、人生の旅路を思わせる歌詞と旋律が心に迫ります。バンド外のソングライターによる作品であることも、音の広がりを感じさせます。「Everyday」
特別な日ではなく“ありふれた今日”に寄り添うこの曲は、シンプルな幸せを丁寧に描き出す珠玉のバラード。忙しい日常の中、ふと立ち止まるきっかけになるような温かさに満ちています。
年月を経た“耳”にやさしく響くもの
グランジ、ニューメタルが隆盛を極めた90年代を経ても、DEF LEPPARDは“らしさ”を失うことなく、音のアプローチを変化させていきました。『X』は、そんな進化の中で「今」のバンドができる表現を追求した結果です。
若い頃は激しいリフやスピード感に惹かれていた自分が、今ではメロディや歌詞の意味に耳を傾けている。その変化にそっと寄り添ってくれるのが、このアルバムなのかもしれません。
心に残る、日常のBGMとしての魅力
『X』は派手さこそありませんが、だからこそ“何度でも聴き返したくなる”——まるでスルメのような味わいがあります。静かな時間にそっと流してみてください。そこには、メロディ職人としてのDEF LEPPARDの本質が凝縮されています。
初めての方も久しぶりの方も。もしこのアルバムにまだ耳を傾けたことがないなら、今こそ、その“深み”に触れるチャンスかもしれません。
基本情報 / Basic Information
| 項目 / Item | 内容 / Details |
|---|---|
| リリース日 / Release Date | 2002年7月30日 |
| ジャンル / Genre | ポップ・ロック |
| レーベル / Label | Island Records (US), Mercury Records (UK & Europe) |
| 収録曲数 / Number of Tracks | 15 |
| 総再生時間 / Total Runtime | 47:09 |
トラックリスト / Track Listing
| # | 曲名 / Song Title |
|---|---|
| 1 | Now |
| 2 | Unbelievable |
| 3 | You're So Beautiful |
| 4 | Everyday |
| 5 | Long Long Way To Go |
| 6 | Four Letter Word |
| 7 | Torn To Shreds |
| 8 | Love Don't Lie |
| 9 | Gravity |
| 10 | Cry |
| 11 | Girl Like You |
| 12 | Let Me Be The One |
| 13 | Scar |
| 14 | Kiss The Day |
| 15 | Long Long Way To Go (Acoustic) |
参加メンバー / Personnel
| 名前 / Name | 役割 / Instrument & Role |
|---|---|
| Joe Elliott | リードボーカル |
| Rick "Sav" Savage | ベース、ボーカル |
| Rick Allen | ドラム |
| Vivian Campbell | ギター、ボーカル |
| Phil Collen | ギター、ボーカル |
追加ミュージシャン / Additional Musicians
| 名前 / Name | 役割 / Instrument & Role |
|---|---|
| Marti Frederiksen | プロデューサー、ミキシング |
| Per Aldeheim | プロデューサー |
| Andreas Carlsson | プロデューサー |
| Pete Woodroffe | プロデューサー、ミキシング |
| Ronan McHugh | レコーディング、ミキシング |
| David Campbell | ストリングスアレンジメント |

