80’s METALの日々

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Deep Purple / Slaves And Masters

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基本情報 / Basic Information

項目 内容
リリース日 / Release Date 1990年10月22日(米国)、1990年10月23日(英国)
ジャンル / Genre ハードロック
レーベル / Label RCA、BMG
収録曲数 / Number of Tracks 9曲
総再生時間 / Total Runtime 46分51秒(米国版)、48分51秒(日本版)

収録曲 / Track Listing

# 曲名
1 King of Dreams
2 Cut Runs Deep
3 Fire in the Basement
4 Truth Hurts
5 Breakfast in Bed
6 Love Conquers All
7 Fortuneteller
8 Too Much Is Not Enough
9 Wicked Ways

メンバー / Personnel

名前 担当楽器・役割
Joe Lynn Turner Lead vocals
Ritchie Blackmore Guitars
Roger Glover Bass, additional keyboards, production, mixing
Jon Lord Organ, keyboards, string arrangements
Ian Paice Drums

追加ミュージシャン / Additional Musicians

名前 担当楽器・役割
Nick Blagona Engineer, Mixing
Colin Hart Management

商業的成績 / Commercial Performance

  • 米国: Billboard 200で87位
  • 英国: 全英アルバムチャートで45位
  • 日本: オリコンチャートで17位
  • その他: スイス5位、スウェーデン12位、ノルウェー16位、ドイツ23位

リマスター・再発情報 / Remaster & Reissues

  • 2008年: 日本盤再発CD(BVCM-35350)にボーナストラック「Slow Down Sister」追加収録
  • その他: 各国でLP、CD、カセットなど様々なフォーマットで発売

 Deep Purple『Slaves And Masters』徹底レビュー:ジョー・リン・ターナーが紡ぐ情熱とその真価とは?

ハードロックの名門、ディープ・パープルが挑んだ新たな境地

ディープ・パープルは、ハードロックの黎明期からシーンを牽引し続けてきたバンドです。そんな彼らが1990年にリリースしたアルバム『Slaves And Masters』は、ファンの間で賛否が分かれる作品として語られることが少なくありません。しかし、この作品には独自の魅力が凝縮されており、一度じっくりと向き合うことで見えてくる深みがあります。

ジョー・リン・ターナーの加入がもたらした新たな息吹

本作最大のトピックは、何といってもボーカリストとしてジョー・リン・ターナーが加入したことです。彼は、リッチー・ブラックモア率いるレインボーで名を馳せたシンガーであり、その伸びやかなハイトーンとメロディアスな歌唱で多くのファンを魅了してきました。

「レインボー寄りになった」「ディープ・パープルらしくない」など、当時のファンの反応は様々でしたが、その一方で、彼の情熱的なボーカルが楽曲をさらに輝かせたことも事実です。特に、「King of Dreams」や「Love Conquers All」などの楽曲では、ジョーのエモーショナルな歌声が楽曲の持つメロディの美しさを際立たせています。

アルバム全体の音楽的特徴

このアルバムは、従来のディープ・パープル作品と比較すると、メロディの強調が際立っています。これはジョー・リン・ターナーのボーカルスタイルに依るところが大きいですが、ロジャー・グローヴァーのプロデュースによる洗練された楽曲構成もまた、アルバムに統一感をもたらしています。

特に注目すべきポイント:

  • メロディアスな楽曲展開:「Fortuneteller」や「Too Much Is Not Enough」は、キャッチーでありながらハードロックのエッジを保った名曲。
  • ブラックモアのギターワーク:「Fire in the Basement」では、彼らしい粘りのあるギターリフが健在。
  • ジョン・ロードのオルガンプレイ:「Wicked Ways」のドラマチックな構成は、まさにディープ・パープルならでは。

アルバムの評価とその真価

『Slaves And Masters』は、バンドの長い歴史の中でも異色の存在ですが、そのクオリティは決して低くありません。むしろ、時代の変遷を考えると、メロディックなハードロックが台頭した90年代初頭において、このアルバムは的確なアプローチだったとも言えます。

とはいえ、ハードロックの強靭なグルーヴやブルース寄りの要素を期待するファンにとっては、違和感を覚える部分もあったかもしれません。しかし、楽曲の完成度やボーカルの表現力を考えれば、まさに「隠れた名盤」として再評価されるべき作品です。

まとめ:このアルバムを聴くべき人

  • メロディックなハードロックが好きな方(レインボーやホワイトスネイクのファンにもおすすめ)
  • ディープ・パープルの新たな側面を知りたい方
  • 90年代のロックシーンを深く知りたい方

今こそ、このアルバムを再発見し、その真価を味わってみませんか?