🎧 浜田麻里 / Sur lie ── 宿命が胸を貫く再発見レビュー
「宿命」という言葉が、これほどまでに音楽的に昇華された瞬間があっただろうか。
浜田麻里『Sur lie』──その名の通り、澱の上に熟成された芳醇な響きは、時代を超えて胸を貫く。
AOR的な優雅さとHR/HMの硬質な美が交錯するこの作品は、今こそ再発見されるべき“異色の傑作”だ。
- 🎧 浜田麻里 / Sur lie ── 宿命が胸を貫く再発見レビュー
- ✨ 魅力の核心 ── “ハード”の再定義
- 💎 詳細レビュー:選び抜かれた3曲の“宿命”
- 🪞 再発見の価値 ── “異色作”の位置づけ
- 記事情報
- 参考音源
- 通販
📀 アルバム基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| リリース日 | 2007年3月21日(日本) |
| ジャンル | AOR × ハードロック(独自ニュアンス) |
| レーベル | Meldac(日本) |
| 収録曲数 | 10曲 |
| 総再生時間 | 約48分 |
| 代表曲 | Heartbeat Away From You、Surrender、Evergrace |
🎵 Track Listing
| No. | 曲名 | 印象・特徴 |
|---|---|---|
| 1 | Heartbeat Away From You | 爽快で疾走感あるオープニング。ポップと“ハード”の融合。 |
| 2 | Lucky Star | マイナー調の美しさが際立つ。繊細な余韻が残る隠れた名曲。 |
| 3 | Sail Against The Wind | 歌い回しが印象的。風に逆らうような力強さと優しさ。 |
| 4 | Blue Water | 静謐で透明感のあるバラード。深い癒しを感じさせる。 |
| 5 | Ruten-no-toki(流転の刻) | 哀愁とドラマ性が交錯する、日本語詞ならではの情緒。 |
| 6 | Surrender | 演歌的な情感を帯びた哀愁のメロディ。心に染みる一曲。 |
| 7 | Never Be The Same | 優雅でメロウな展開。AOR的な洗練が光る。 |
| 8 | Expectations | 繊細な構成と浮遊感。アルバムの中盤を彩る静かな余韻。 |
| 9 | Love Creatures | アルバム随一のスピード感。エネルギッシュで爽快。 |
| 10 | Evergrace | 透明感と深みを併せ持つラスト曲。麻里さんのハイトーンが響く。 |
🎸 Personnel
| 名前 | 担当 |
|---|---|
| 浜田麻里 | Vocal |
| 大槻啓之、増崎孝司、Michael Landau | Guitars |
| 大堀薫、Leland Sklar | Bass |
| 松崎雄一、増田隆宣 | Keyboards |
| 本間大嗣、Gregg Bissonette | Drums |
✨ 魅力の核心 ── “ハード”の再定義
『Sur lie』は、「キャッチーでポップ」な楽曲を軸にしながらも、随所に“ハード”なエッセンスが織り込まれた意欲作。
ここで言う“ハード”とは、単なるヘヴィネスではなく、音の骨格に宿る緊張感や鋭さ──それは、浜田麻里が長年培ってきた音楽哲学の結晶でもある。
💎 詳細レビュー:選び抜かれた3曲の“宿命”
① Heartbeat Away From You
疾走感と爽快さが際立つオープニングナンバー。イントロから広がる軽快なリズムは、まるで風を切るような感覚を呼び起こす。
しかしその裏には、浜田麻里ならではの“硬質な美”がしっかりと根を張っている。ギターの粒立ち、ドラムのタイトな刻み、そして何より麻里さんのボーカルが、ポップな旋律に緊張感を与えている。
この曲は、アルバム全体の“宿命”というテーマを象徴するように、軽やかさと重みが同居する──まさに“麻里節”の真骨頂。
② Surrender
日本人の情緒に深く響く哀愁のメロディ。歌謡曲的な懐かしさと、演歌的な情感が絶妙に融合している。
特筆すべきは、麻里さんの歌声が持つ“語り”の力。サビに向かう展開では、まるで心の奥に語りかけるような抑揚があり、聴く者の記憶を優しく揺さぶる。
この曲は、“優しさ”と“宿命”が交錯する場所──過去と現在をつなぐ橋のような存在だ。
③ Evergrace
アルバムのラストを飾るにふさわしい、透明感と深みを併せ持つバラード。
麻里さんのハイトーンは、ただ高いだけではなく、空間を包み込むような柔らかさと奥行きを持っている。
この楽曲では、音の隙間に漂う“余韻”が特に美しい。ピアノとストリングスの絡みが、まるで澱の上に浮かぶ芳醇な香りのように、静かに心を満たしていく。
“宿命”という言葉が、ここでは“赦し”や“受容”へと昇華されているように感じられる。
🪞 再発見の価値 ── “異色作”の位置づけ
『Sur lie』は、後のヘヴィメタル路線とは異なる、AOR的な優雅さとポップな親しみやすさを持つ作品。
それでいて、浜田麻里独自の“ハード”な美学がしっかりと根を張っている。
このアルバムは、ジャンルを超えて音楽の本質を探る者にこそ響く──まさに“宿命”が胸を貫く瞬間を体験できる一枚だ。
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参考音源
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